赤い輪郭線

  

    97歳までの約70年間 身近な命を小さな油絵に描きつづけた「熊谷守一」
    
    
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    恥ずかしいことに私は彼の名まえを知りませんでした。
   
    ただ彼の特徴である赤い輪郭線の絵は見たことがあり印象に残っていました。
  
    モリカズ様式と呼ばれたその赤い輪郭線は 
    当初薄塗りの画面の中に赤鉛筆の下描きが薄く塗り残された様な物だったのが
    物の見方が変わって絵も自然と変化して
    彼のコレクターの木村定三いわく 
    気分が大きくなって太い線で区切る事が出来るようになった
    といいます。

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    特に私が好きなのは色んな物がそぎおとされた晩年の絵です。
    昭和30年代の絵はまるで 
    北欧のタペストりーにでもなりそうな色合いで
    紬の着物に似合う帯の柄にもなりそうで
    ほっと癒されるような可愛さもあり
    80歳のお爺ちゃんの感覚とは思えないファンキーさもあります。

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    一見 子供が描きそうな単純さですが    
    若い頃からの絵をずーっとたどって行くと
    彼の若い頃の子供を失った悲しみや
    お金の為には絵を描くことを拒否し続けた葛藤があってこそ
    この研ぎ澄まされた色とフォルムに到達するのであろうなと感じたのでした。

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    今回 伊丹市立美術館で行われていた「熊谷守一展」は
    下の娘が見てみたいと言い出したので
    学校帰りに一緒に行ったのですが
    この絵を見た帰りなぜか
    私にはめずらしく 娘の事がとても愛おしく思えたのでした。

    絵を見て感動するという事は
    人の心にゆとりを与え 気持ちを素直にするのかもしれません。


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    子育てに行き詰まったら 美術館へ・・・・(笑)
  
    5月27日までやってます
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by acute-97 | 2012-05-07 21:44 | 美術館