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母 おさるになる

 
   先日 実家に帰った時に父の書庫から 昔の私の絵本を見つけました。
   「ひとまねこざる」
   今はおさるのジョージとして 
   キャラクターグッズも出ているぐらい有名な絵本になりましたが
   その頃外国のお話の絵本は 日本の絵本と違って絵や色がとてもかわいく
   とてもワクワクしたものです。
   とくにH・レイさんの挿絵は大好きでした。
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   おさるのジョージが いたずらで部屋中にジャングルの落書きしてしまうところや
   実験でロケットに乗っていくところなどハラハラで
   この絵本が大好きで何度も何度も 母にせがんで読んでもらったものです。 
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   久しぶりにゆったりとした休日の昼下がりのこと
   ベットルームでぐうたら親子がゴロゴロまったり
   テレビには吉本新喜劇が流れ
   わかっているのに いつものオチに高笑いする幸せなひと時・・・

   下の娘ケメが(なぜか下の娘のあだ名はいつの日からかケメ子 通称ケメ)
   「ね~ね~おかあさん(なぜか芝居がかっている時はママではなくお母さん
    しかもイントネーションは標準語になる)
    私、おさるが飼いたい」と言い出しました。
   (いっときますが ケメは中学1年生です)
  
   「はぁ~~???さぁるぅ~~???なんで?」
   「かわいいやん!手つないで仲良くお散歩したい」
   「は~~~ぁ~~???
     あんたアホちゃうか?!猿ってどんだけ凶暴で怖いか?
     あんた知らんやろ?!かわいいのは絵本の中だけやで」

   私は以前に 海岸にいた野生の猿に 追い掛けられたことがあるのです。
   「わ~~こんな所にお猿がいる~~」と騒いでいると
   最初 遠巻きに威嚇していた猿でしたが 私が何食わぬ顔をして 
   チラッと目を合わしたのが気に入らなかったのか
   突如として真っ赤な顔をして牙をむき出して 海岸を猛ダッシュで追いかけてきたのです。
   私はこのままだと 飛びつかれて噛みつかれると思い 
   ギャ~~と叫びまくりひたすら海岸を走り続けました。
   すぐにあきらめるだろうと思っていた猿は かなりしつこく長い距離を追いかけてきました。
   たかが猿と馬鹿にしていた私には 多分今まで生きていて
   こんなに恐怖を感じたことがないくらい 恐ろしくてこれぞ死ぬ思いの体験でした。
   よく映画でみる恐怖映画の鮫に追いかけられる主人公の気持ちが
   少しわかるような気がしました。

   「あかん!猿は絶対あかん!まだゾンビのほうがええ!」

   「え~~いやや!いやや!おさる 飼いたい!飼いたい!」

  わかった!あんたがそんなに言うならほんまに飼えるかどうか試してみよう! と
   私はすぐさま「ウッキ~~!!!」と飛び跳ねケメに飛びつき引っ掻き回しました。
   「なに~?ママやめて~~~!」
   「ウッキ~~!」おさるはそんなん言われてもわからへんで~と解説を入れながら
   私が猿になりきりました。
   間寛平ちゃんにも負けない勢いです。
   家中を猿の物真似をしながら飛び回り バナナにかぶりつき
   べとべとの手で ケメに抱き付き 毛づくろいをしてあげました。
  「ぎゃ~~!汚い!やめて!」
   だっておさるやから手なんて洗わへんで
  「髪の毛ぐちゃぐちゃなる!!」
   え~~!?だっておさるは仲良しの印として毛づくろいすんねんで
   嫌がる娘を押し倒してひたすら毛づくろい
   仲良し~!仲良し~!ウッキ~~!

   顔にかぶりつき頭をかきむしり・・・

  「もうわかった!わかった~~!おさるなんていらん!いらん!いらんからやめて!」

   よっし!

   なんでも体験せなわからんやろ ウッキィ~~!!!
 
 
   でもずーっとぷりぷりしていたケメがなんか落ち着いてる

   実は中学生になったケメ子は 只今反抗期真っ盛り
   何を言っても「うるさい!わかってる!あ~~うっざっ!」ととんでもない態度・・・
   今は何をいってもあかんやろと私もほっていたのです。
   知らん顔されれば ちょっと寂しいらしく甘えたくなってくる 微妙なお年頃です。

   毎朝のハグも最近「もう!いいってば!」と振り払うようにして出て行きます。
   少し寂しいなと思いながらも こうやって少しずつ親離れしていくんだなと
   思っていた矢先のおさるごっこ。
   

   私の母は 愛情表現の下手な人で 私は母に抱きしめられた記憶がありません。
 大好きだと 大切だと 言われた記憶もありません。
   一人娘の私は甘やかしてはいけない これからの時代は女性でも自立して
   一人で生きていけるようにと 小さいころから 自分の責任において
   自分のことは自分でするようにと かなり厳しく育てられ 
   いつしか母に何かをして欲しいと 頼むことが出来なくなり
   何事も相談することなく 一人で判断する癖がついてしまいました。
   私の為を思い躾けたのだったのでしょうが
   世間に出た時に あまりにも親切な人やとても心配してくれる他人に出会い
   この人は私のことをあまり好きではないのだろうなと感じてしまっていたのです。

   そんな母に育てられた私は 人に大好きとか 愛してるとかを言えない大人に
なってしまいました。
   言われたことがないので どんなタイミングで言っていいのかが わからないのです。

   そしてある時 些細な喧嘩から母にブチ切れ
「私は一度も愛されてると思ったことがない 
   いつも冷たくされてどんな時も弱音をきいてくれず 
   私を抱きしめてくれたこともないくせに!」と叫んでしまいました。
   母は何も言いませんでした。
   怒りも泣きもしませんでした。
   次の朝起きると いつものように普通に朝食を作ってくれてました。
   私は毎朝 母が作ってくれる朝食を
   「私は朝は食べないの知ってるやろ なんでつくるん?」と毎朝 食べてませんでした。
   せっかく作ってくれるのに悪いなと少し思いながらも
   ホンマ 私のことわかってないと 半ば意地になって食べませんでした。
   それでも「朝ごはん食べないと身体に悪いわぁ」と繰り返される毎日でした
 
   私あほやなぁ・・・なんでこんな事気づかれへんかってんやろ・・・
   でも私は 謝ることもありがとうも言えませんでした。
   私は黙って朝ごはんを食べました。 
   そういう伝え方しかできない母娘でした。
   
   
   まだ娘が小さい頃 娘のことをきつく叱った時に 娘にママは私のことが嫌いなんや 
   ママは私の気持ちなんて全然わかってないと 泣かれたことがあります。
   私、結局 母と同じことしてしまってるやん・・・
   

   私が大学生の頃に 下宿先に来た親友のお母さんは 
   娘のことを惜しげもなく かわいいなぁ かわいいなぁと口に出し
   この子優しいええ子でしょと私に話したそのお母さんを見て
   親友をとても羨ましく思ったのを覚えています。
   そんな彼女はいつも自信に満ち溢れて 明るくとても前向きな女性です。
   その彼女にも娘が出来て同じように この子は本当に素晴らしい!
   かわいくてたまらない 愛してる愛してると娘に言って育てて
   まさに親友の娘はしっかりとして 色んな意味で能力の高い子に育っています。
   自分が愛されてるという実感は 自分の存在価値をわかり
   自分への自信につながり 自分の事を信じる事が出来て
   私ならきっと出来るという凄い力の原動力になるものなんでしょうね。

   自分の子供がかわいくない親なんているわけがない
   自分が親になればわかること
   でも本気でそれがわからなかった私

   口が上手な人がその人の前ではすごく褒めて
   陰ではぼろくそ言ってる なんてこと世の中にはしょっちゅうで
   人が言うことなんて 嘘ばっかりやん!
   人の言うことなんて 信用できひん!

   でも せめて自分は大切な人には 伝えるべきことは伝えて行こうって思うのです。
   こんなに思ってるのだから 言わなくてもわかってるでしょ とか 
   ちゃんとこっちの思いくみとってよ っていうのは自分勝手な言い分
   自分の思いをちゃんと口に出して 目を見て伝えないと
   
   否定的な言葉や 自分の要求だけを伝えるんじゃなく
   言って欲しかった言葉を 
   大切な人に伝えていきたい 
   

   大事だよ 
   大切だよ 
   
   信じてるよって 
   嬉しいよ
   大好きだよ

   ありがとうって

  
   娘たちにはキモイ!っていわれながらもずーっと伝え続けます。
  
   そして
   母にも 近いうちに ちゃんと伝えないといけないな って思ってます。


   あれから当分続いてるおさるごっこ
   ケメは たまにスキンシップを欲する様で
   だいぶ 私の猿まねもいたについてきました。
   

   この春 中2になる娘とええ歳したおかん
   ちょっと怖いもんがあります

   たいがいにしとかなあかんで~~~

   








  
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by acute-97 | 2015-02-22 22:15 | 読み物