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好きであるということ

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  すっかり陽が落ちるのも早くなり
  金木犀の香りがする秋となりました。

  私は夏が大好きなので 秋の気配を感じるととても寂しく切なくなるのですが
  秋は芸術の秋でもあり 
  あちこちの美術館で色んな展覧会が開催されるのも楽しみの一つです。

  ある時 アトリエの生徒たちと話していると 
  一度も美術館に行ったことがないというこどもたちが多かったので
  急遽 「じゃ!来週のレッスンは美術館にいっちゃお~~!!」と
  「え~~?そんなんすぐいけるん?」
  「お金いるん?」
  結構こどもたちのほうが冷静です。
  知ってますか?
  兵庫県の小中学生はほとんどの兵庫県の美術館や博物館が
  こころんカードという 入学時にもらえるカードで無料で利用できるのです。
   
  そして次の週に西宮市立大谷美術館のボローニャ絵本原画展に行くことにしました。
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  初めての美術館に少し緊張気味のこどもたち
  走らない 大きな声で騒がない 作品にさわらない
それだけをお約束してひとつづつ作品を見て行きました。
  終わった後にどの絵が好きだったか先生に教えてね と決め
 「 わー!これ凄い細かい!」
 「わー!先生これって何で描いてるの?」
  こどもたちは原画に興味深々です
  そして最後まで飽きることなく熱心に作品を見ていました。
  展示を見た後は実際に絵本になった作品を閲覧することもでき
  「これさっきあった絵や~!」とうれしそうに各自絵本を読んでいました。


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  こどもたちが見ても楽しい絵本の原画は 初めての美術館体験にはぴったりでした。
  面白かった!楽しかった!美術館また行きたい!と帰ってからも
  図録を見ながらこれが一番好き!これも好き!
  とてもテンション高いこどもたちでした。

  そして秋は写生のレッスンもこどもたちの楽しみのひとつです。
  私たちが幼い時は必ず学校の授業で写生があり遠足の様な楽しみの一つでしたが
  今は指導要綱には省かれているようで
  初めてのこどもたちはえ~~~!?お外で絵を描くの?とこれまたテンション高いのです。
  春休みには西宮と伊丹の両クラス合同で動物園に写生に行きますが
  秋には各クラスで近所の神社に写生に行きます。

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  神社のお社はとても複雑な屋根の形や細かい細工などがしてあり とても難しいのですが
  形の取り方や 描く手順を教えると 不思議なくらいするすると描き上げてしまいます。
  毎年何度も描いていくうちに 
  昨年の作品と見比べると びっくりするぐらい上手になっていくので
  こどもの力とは凄いものだなあとこちらが感心させられます。

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  そしておやつの時間
  みんな人数分のお菓子を持ってきて 一人ひとりくばります
  それも楽しい時間
  先生ダイエットやめたん?
  ん~~チョコは特別~~
  ママといっしょやな~ 明日からあしたからって毎日おやつ食べてるで~
  ほんでな 見て見てってぽっこりお腹みせんねん!
  それ 先生と一緒や~ン!
  おやつタイムには 楽しい内緒の話もしてくれます。
  みんなニコニコの笑顔を見つめ あ~~なんてしあわせな癒されるひと時!
  ホンマ私の天職やわ~~とお菓子をほおばるのでした。

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  やはり絵を好きで描くこどもたちというのは 好奇心旺盛で
  ある意味 とても個性的なこどもたちが多いのですが
  私はあえてそれを生かしたいと 常々思っています。
  例えば同じ場所でジッとできなくても 危険でない限りある程度黙って見守っています。
  好奇心が旺盛なゆえに 色んな事に興味がありすぎて 人と同じように行動できなかったり
  好奇心を制御されることによって 余計に我慢できなくなるものなんです。
  好奇心が感性を 育てるのです。
  見たこともない したことのない ワクワクする感動の心が感性を育てるのです。
  どうか 子供の可能性を型にはめてしまわないでください。
  人の迷惑にならない限り 危険でない限り こどもの好奇心に付き合ってあげてください。
  ちょっと大変なことや めんどくさいこともあるかもしれません。
  でも親にとって都合のいい子は 社会に出ても都合のいい人にされてしまうんです。
  どうか自分のお子さんを信じてあげてください。
  信じてもらってるお子さんは 自分に自信があります。



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  私も幼いころはめんどくさい子供だったようです。
  ある時新しくクレヨンを買ってもらった私はうれしくて
  家の前のアパートの広いブロック塀にめーいっぱいお絵かきしました。
  大作を描き上げた私はドヤ顔で父に知らせると
  それを見た父は 大笑いをし よくかけたな~~と感心しとても褒めてくれました。

  その後 父と母が向かいのアパートに大家さんらしき人に何度も何度も平謝りをし
  暗くなるまで 塀にママレモンをかけながら たわしでこすっているのを
  家の中からドキドキしながらのぞいていたのでした。
  その時父は私には一言も怒りませんでしたが
  その両親の姿を見て してはいけないことをしでかしてしまった事の重大さに気づき
  とても反省したのを 今でもはっきりと覚えています。

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  仕事では えらそうなことを言っている私ですが
  家庭の中の私はダメダメ母親で
  イケイケどんどん!と育てすぎて 
  はちゃめちゃな母親を 子供が制御するようになってしまいました。
  ママ!そんなんしたらあかん!
  ママ!おかしいからやめて!と二人の娘の方が常に冷静で大人の様で
  一緒に好奇心に付き合ってほしいぐらいです。
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  歌舞伎役者の市川染五郎さんが以前 エッセイで書かれていたのですが
  昔 自分には才能がないから芝居をやめようと思われたそうです。
  でも夢や憧れは芝居が好きだからこそ持てること
  やめたいと悩むほど好きならば 芝居好きでどこまでやれるかやろうと
  やめることをやめられたそうです。
  そして 日本画家の千住博さんが染五郎さんにおっしゃったのが
  「何かをやる時に必要なのは 勇気 自信 そして好きであること」
  「考えるだけでなく実行する勇気を持つこと
   それをやりぬける自分を信じること  
   強くやりたい気持ちになるということは それがすごく好きなんだから
   才能があるかないか考える前に
   それが好きということ自体が 才能である」と・・・
   
 
  どうか こどもの「好きという才能」を大切にしてあげてください。
  
  苦手な事を克服することもとても大事です。
  でも好きなことを育むことはもっと大切です。
  好きなことが得意なことになります。
  得意なことが出来ると自信につながります。
  自信が出来ると自分の事が好きになれます。
  自分のことが好きになれると人にも優しくなれるのです。

  そしていつも言っていますが・・・・
  人を思いやるおとなが増えると 世の中が平和になるのです。
  心豊かなおとなが増えると みんな幸せな世の中になるとおもうのです。
  私達のこどもたちがおとなになり 
  そのまたこどもたちが幸せに暮らしていけるようにと願うのです。









  
  

  
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by acute-97 | 2015-10-16 16:49 | アトリエアキュート