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ブルーオニオンの真実

   先日 大阪市立東洋陶磁美術館で開催されている
   「マイセン磁器の300年」を観てきました。

   
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300年前に中国からドイツへ伝わった「白い金」とうたわれた磁器を
   マイセンの工房で独自の様式に確立するまでの歴史はとても奥深いものでした。

   東洋のエキゾチックなシノワズリや 有田の柿右衛門様式の絵付けなどに憧れ模写された
   初期の作品は 日本の感覚とは若干違う東洋らしさでした。

   そして徐々にフォルムや絵付けなどが西洋式の物に発展していったのが有名な
   「ブルーオニオン」です。

   
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   このブルーオニオンのお皿の中央にある花は 菊の花で茎や葉は竹を表し 
   周りに描かれのは中国の桃に ザクロの柄がほどこされています。
   当時ザクロは ヨーロッパでは知られていなかったので
   自分たちの知ってる玉葱と思いこんだ様で「ブルーオニオン」と
   呼ばれるようになったそうです
   実は「ブルーザクロ」だったのですね。
   ん・・・なんだか昔のキャバレーの店名の様です。                                                                      
   
   そう思ってこのデザインをみてみれば 地中に埋まってるはずの玉葱が
   花の様に茎があり 玉葱にはありえない葉がついていますもんね。
   フムフムなるほど・・・と一人うなずくのでした。                                                                   
    
    私はマイセンの中でもこのブルーオニオンの図柄が好きです
   このオリエンタルな柄で透明感のある藍色は飽きることがありません。
   柄のわりには器のフォルムが完璧に西洋というミスマッチ感も魅力の一つです。

   今でもひとつひとつを絵付け師達が手描きしいるそうです。
   ドイツには仕事で何度も行っていたのに 残念ながら
   マイセンの工房見学の機会にはめぐまれませんでした。

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   そして今回 デパートでは決して観ることが出来ないのが
   18世紀に アウグスト強王が夢見た「日本宮」のメナージュリ動物彫刻たちや
   宮廷用の揃いの組み食器 2000点を超すアイテムがあったとされる「スワンセルヴィス」。
   まさに富の象徴といえる絢爛豪華さにはため息が出ます

   前世占いではオーストリアのお姫様だったといわれるわたくしには
   どことなく 懐かしいものが・・・

   他にも とても興味深かったのが 製造工程や石膏の原型の展示でした。
   素晴らしさはここでは語りつくせません。
   
   これは必見です!
   今回はお子様にはお留守番をお願いして一人でゆっくりとご覧ください。
   7月22日まで開催しています。
   
   美しすぎる300年の歴史を堪能し 北浜のビル風に吹かれ
   今世の幸せに感謝しながら 家路へ急ぐのでした。
















     

by acute-97 | 2012-05-21 17:02 | 美術館